FIRE生活に移行するにあたって設定した、2つ目の目標が「一度きりの人生において、経験にお金を使うこと」である。
FIRE生活に移行して約半年が経ったが、その半年の間は1つ目の目標である「私のやりたいこと、得意なことを仕事化すること」に集中して取り組んできた。そのための習慣もある程度確立できてきたし、少しずつだけど前に進んでいる実感もある。
そのようなわけで、半年経った今、2つ目の目標である「経験にお金を使うこと」に少しずつリソースをかけて取り組んでいこうと考えていた。
この2つ目の目標に関しては、私がFIREを実現する前に何度も読み返していた一つの本に大きく影響されている。
その本は「Die with Zero」という。
この本では、経験にお金を使うことを強く推していた。
現役時代に色々な事を我慢してコツコツとお金を貯めても、老後でそのお金を使い切ることができない。そのような人たちを見てきた著者が、そのようにひたすらお金を貯めることに強い疑問を感じる。
人生は一度きり。
あの世までお金を持っていない。
何よりも大切なのは「経験」であり、その「経験」にお金を使っていくべきではないのか。
私は著者のこの考えに強い共感を覚えた。
この本は、私がFIRE生活に踏み切った一つの後押しにもなった本だった。
それまで必死になって資産を貯めてきたし、その資産を働かせて不労収入を作ることに血を吐くような思いで取り組んできた。
だけど、どこまで資産を作れば「FIRE」に踏み切れるのか。
正直分からなかった。今まで一度も「FIRE」なんて経験したことはないのだから、分からなくて当たり前だった。
特に浪費をしなければ、現在の資産、不労収入だけで生きていける。将来的な資産計算上はそのような結果を得ることができたとしても、実際にその道に一歩踏み出すということはまた違った勇気が必要だった。
そんなときにこの「Die with Zero」を読んだのだ。
一度きりの人生なのだ。
私が望む生き方をしよう。
私が望む「経験」にお金を使おう。
私は強くそう感じた。