自分のことを、本当に欠点だらけの人間だと思ってずっと生きてきた。
例えば、私は他者とうまく関係を作ることができない。
いつも受け身だった。
学生時代、自分から誰かと友達になろうと行動したことは一度もない。
クラスメートの誰かが私に話しかけてくれるのもずっと待ち続けていた。
中学の頃までは、それでも私に話しかけてくれるクラスメートはいたから、それなりに普通の中学生としての生活を送っていて、自分のその欠点をそれほど意識することもなかった。
だけど、高校に進学してから状況が大きく変わった。
私が進学した高校は中高一貫校だったのだけど、その半分は内部進学生、そして残りの半分は外部生ということで別の中学から入ってきていた。そんな少し複雑なクラスだった。
私は中学の頃と同じように、待っていれば誰かしら話しかけてくれると思っていた。
だけど、その「誰か」が現れてくれることはなかった。
それでも私は、自分から他のクラスメートに話しかける方法を全く知らなかったから、ずっと待ち続けることしかできなかった。
結局、高校三年間、私はずっと孤独に過ごすことになる。
そして高校三年生になり、大学受験の時期が訪れた。
大学受験は、「個人作業」だった。
私は「団体行動」が全くできない人間だったのだけど、それは逆にいえば、「個人作業」であれば苦もなくやり続けることができるということでもあった。
高校三年生になって、私の生活スタイルはガラリと変わる。
毎日朝早くに起きて、問題集の問題を解く。
そして夜遅くまで、その作業をひたすら続ける。
大変だったけど、辛くはなかった。
もし大学受験が個人作業ではなく団体競技だったとしたら、私は間違いなく途中で挫折していた。
そのことは一つの真実だと、今でも信じている。