生活習慣の中で設定している二つ目のルールが、「計画遂行法」というもの。
これは私が勝手に名付けた手法になっていて、それこそ学生時代の受験勉強をしていた時期から、私は習慣の中にその方法を取り入れていた。
私は、私自身をとても意志の弱い人間だと思っていた。
学生時代は自分から進んで勉強をすることも無かったし、簡単に楽な道に逃げ込んでいた。だけど、それこそ「大学受験」という壁が突如として私の前に現れた中、そんなことも言っていられる状況でもなくなった。家庭的にも、受験に失敗したら浪人するという選択肢が全く無かった。なんとかして現役で合格するしか無かった。
そのような追い込まれた状況において、初めて私は、
「勉強をしなければならない」
と明確に自覚したのだ。
私は「計画する自分」と「遂行する自分」を分離しようと考えた。
その時その時に、
「次に何をすればいいだろうか」
を考えて、それを実行していく。
そのようなやり方では駄目だと思った。
そのようなやり方では、意志の弱い人間である私では、何もしない、あるいは楽なことをするという選択をしてしまうのが目に見えてしまう。
だからまずは前日の夜に、「計画する自分」として、次の日にどのようなタスクをどのようなスケジュールで行っていくかを、それこそ15分単位でスケジュールを組んで行った。その計画をする段階では、まるで、自分以外の別の誰かの計画を組んでいるかのような客観的な視点でタスクを考える。
目標を達成するために「自分」に何が足りなくて、そしてどのような鍛錬を課していく必要があるのか。それをひたすら客観的かつ合理的な視点で考え、それをタスクとスケジュールに落とし込んでいった。
その計画を立てる段階では、それをいかにして実行していくかは考えない。そのためにも、計画を立てる日とそれを実行する日とを分けるようにした。
そしてその次の日は、前日に作ったスケジュールをこなすこと、遂行していくことに集中して、ひたすら目の前のタスクを処理していく。
「このタスクが終わったら次に何をしよう」
と迷う暇なんてなかった。すべきことは全て前日に決めている。
今やっていることに何か改善が必要だと感じたとしても、すべきことは変えない。
改善点は別途メモしておいて、その日の夜の「計画する自分」に引き渡す。そして「計画する自分」はその「遂行する自分」からの提案を吟味して、その次の日のスケジュールを必要に応じて修正していく。
そのような流れだった。
一日そのスケジュールを遂行することができれば、そのこと自体が「小さな達成感」につながり、その次の日のスケジュールを遂行するためのモチベーションにつながる。
その「小さな達成感」の積み重ねがとても重要だと考えていた。