母がNISAを始めるらしい。
ただ、そのためには銀行に行ってNISA用口座の開設手続きを行う必要があるのだが、それに付き添いとして付いてきて欲しいと、母と妹にお願いされた。
確かに株や投資信託やNISAについての知識が乏しい母が、いきなり銀行に行ってNISA用口座を開設するのはハードルが高いかもしれない。
それに、銀行員の口車に乗って、いろいろな勧誘に引っかかってしまうことを妹は懸念していた。
何も知らない年寄りに都合のいいことを言って色々な商品を売りつけてくる。そのようなイメージを妹は持っているようだった。
FIRE生活に移行している私であれば平日でも自由に行動できるということで、「付き添い」という役回りが私に回ってきたのだ。
口座を開設するだけなのに大袈裟だろう、とも思ったけど私は、
「わかった」
と答えた。
これまで私が地道に蓄積してきた「お金」や「投資」の知識を活かせるのであれば、そしてそれを活用してちょっとした親孝行ができるのであれば、それもいいかなと思った。
ただ、心の中では、
「NISAを始めるのはいいけど、そもそもとして母はNISAの制度自体を理解しているのだろうか。理解した上で始めると言っているのだろうか」
そのことが少し気になった。
それにNISAとはいえ、それは投資そのものだから利益が出る場合もあれば、当然損失が出る場合もある。
そのリスクも理解した上でNISAを始めると言っているのか。
その点も大いに気になっていた。