或る人のFIRE日記

日々思ったことを書いていくだけのブログ

FIRE生活における「自由」の価値(3)

 

歯医者の待合室で待っていると、すぐに私の名前が呼ばれ診療室に通された。

 

治療用の椅子に向かう際にさりげなく診療室の中に視線を巡らせる。

やはり、その診療室の中には歯科医師一人しかいないようだった。

 

 

 

予約した際に、

「左下の奥歯が欠けてしまった」

と伝えている。

椅子に腰掛けるとすぐに、歯科医師は私の口の左下の歯に器具を入れて、歯の様子を確認した。途中、

「なるほど」

と何度か口にする。

何が「なるほど」なのだろうと思ったのだけど、口を大きく開けている私にはそれを尋ねることもできない。

 

歯科医師はすぐにその器具を私の口から取り出し、

「歯の奥の状態も確認したいので、レントゲンを撮ります」

と私に告げた。

 

私は椅子を立ち、診療室の隅にあるレントゲン室に入る。

これまでの治療でも何度もそのレントゲン室に入っていたので、勝手は承知していた。

 

レントゲンを撮り終え、また椅子に戻る。

すぐに歯科医師はやってきて、その椅子の前に設置されているモニターに撮ったばかりのレントゲン写真を表示させた。

 

「左下の奥歯、親知らずなんですけど、完全に上の部分が欠けてしまっている。その歯は以前に治療した記録があるので、その治療したあとを起点にして、やはり一番奥ということで手入れも難しかったと思うので、虫歯で折れてしまったのだと思います」

 

確かに、一番奥ということでデンタルフロスで歯間を清掃するのも難しかったし、通常の歯磨きでも十分に歯ブラシが届いていたかどうかも怪しい。

 

 

 

「これからこの歯の治療を行うよりも、この歯の噛み合わせになっている左上の親知らずはすでに抜かれてしまっていて無いので、同様に抜いてしまうのがいいかと思います」

 

左下以外の3本の親知らずは、子供の頃に歯医者に抜いてもらっている。

私の歯の中では、左下の親知らずだけが残っているだけだった。

 

 

 

その親知らずを抜くことに全く異存はなかった。

 

変に治療をして、また今後同じような症状が出てしまうリスクを負うよりは、むしろ私としても抜いてしまいたかった。

 

 

 

 

 

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