或る人のFIRE日記

日々思ったことを書いていくだけのブログ

FIRE生活における「自由」の価値(4)

 

「左下の親知らずは歯茎に埋もれるようになってしまっていて、ここでは抜くことができないので、口腔外科で抜いて貰う必要があります」

 

歯医者はそのように私に告げた。

 

口腔外科。

その「外科」という響きに何か重たいものを感じて、少し背筋が寒くなるような思いを抱いた。

 

 

 

「この歯科医院と提携している病院が二つあるので、そのどちらかに紹介状を書きます。一つは一駅隣にある大学病院で、もう一つは駅からバスで行くことのできる病院です。どちらがいいですか?」

 

そのように尋ねられても、私にもどちらがいいのかなんてわかるわけがない。なので、私は歯科医師に、

「どちらのほうがおすすめとかありますか?」

と逆に問い返した。

 

「このような親知らずの抜歯は珍しいことでもないので、どちらでも問題ないかと思います。行きやすい方を選べばよいかと思います」

 

「抜歯では何度か通うことになるのでしょうか」

 

「抜歯自体は一時間もあればできるので、一日で終わると思います。ただ、事前の診察や、歯茎を切開することになると思うので抜歯後の抜糸で、もしかしたら二、三回はその病院に行くことになるかもしれません」

 

 

 

切開。

抜糸。

 

歯科医師は恐ろしい言葉を次々に口にする。

 

ただ、歯科医師いわく「珍しい治療ではない」とのことなので、何とか自分を落ち着かせた。

 

 

 

「一駅隣の大学病院なら、駅から歩いて5分ほどの距離にあるので行きやすいかと思います」

 

「そうですか。では、大学病院でお願いします」

 

「分かりました。今ここで紹介状をお渡しすることはできないので、今週末につくように自宅に郵送いたします。そこに大学病院の受付電話番号も書いておくので、事前に電話をしたほうがいいでしょう」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

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