東洋文庫ミュージアムは、東京都文京区にある。
最寄り駅は南北線の駒込駅と、三田線の千石駅。
川崎駅から行こうとしたら、いずれにせよ東海道本線で新橋に出てから、そこで南北線か三田線に乗り換える必要がある。
駒込駅の場合では運賃は片道528円で、時間は40分程度。千石駅の場合もそれほど差はない。多少遠いが、それでも十分に許容範囲内だろう。
東洋文庫は日本最古で最大の東洋学の研究図書館で、1924年(大正13年)に三菱3代目社長の岩崎久彌によって創設された。
東洋学五大研究図書館の1つに数えられており、蔵書総数は約100万冊に上り、国宝5点と重要文化財7点が含まれる。
2011年にはその東洋文庫にミュージアムが併設された。それが「東洋文庫ミュージアム」だ。
入場料は一般で1000円。
ただし、某企業からもらった株主優待の無料招待券を使えば、無料で入場することができる。
東洋文庫ミュージアムでは現在、『「怖い」本』という特別展を開催している。
特別展での展示は大きく6つに分類されている。
あの世の世界。
日本の伝奇。
アジアの伝奇。
虐げる・裁く・衝突する(人が生む恐ろしさ)。
悪人の実像。
災害・病と向き合う。
「あの世の世界」では、昔の人たちが「死後の世界」や「地獄」をどのように捉えていたのかを、いくつかの歴史的な文献とともに展示している。
地獄といえば「この世での悪い行いをした人が死後に責め苦を受ける世界」というイメージを持つが、そのイメージは現代にも根付いている。
このようなイメージは、日本では主に仏教の影響をうけて形作られたものらしい。
平安時代に成立した仏教書「往生要集」によれば、人は生前の行いによって地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天という「六道」にいずれかに転生されるとされる。
地獄道では、罪の重さに応じた八つの地獄で苦しむことになる。
また、人道とは人間世界のことで、この世界は不浄や苦しみ、無常で満ちていると説かれている。現世の肉体を不浄なもの・無常なものとして捉えており、それに対する執着を断つことが重視された。
今回の特別展では、平安時代に書かれたとされる、その「往生要集」が展示される。
この仏教書は地獄について、「八大地獄」をはじめさまざまな罰を与える場所として詳しく描写する。
また、鎌倉時代に書かれた「九相図巻」という仏教絵画も展示されており、この図巻では、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いている。
仏僧はこのような仏教絵画を通して、人の死屍が膨張し、腐敗し、鳥獣に食われて散乱し、白骨と化す醜悪な姿を見ることで、肉体への執著や、美なる対象に対する煩悩を断つ修行をしていたらしい。
